ジージとくらさんの文学談義2026年10月28日
文学しらべ
問いを重ねて、日本文学を読む

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新しく登録した記事の 20 件

10月28日登録 / 2026年10月28日
No.218新着 岩波書店(1913年〜現在) 古書店から出発し、漱石の『こゝろ』と文庫・新書で日本の教養の土台をつくった出版社
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岩波書店は1913年、岩波茂雄が神田で開いた古書店から始まり、1914年に夏目漱石『こゝろ』を出して出版社になった。岩波文庫(1927年)、岩波新書(1938年)、『世界』(1946年)で読者層を広げ、2026年10月には岩波文庫創刊100年の記念事業を発表した。
出版社岩波茂雄、夏目漱石、こゝろ、岩波文庫、岩波新書、世界事典・概説1913年〜現在
10月28日登録 / 2026年10月28日
No.217新着 日本SF小説の歩み(1950年代〜現在) 雑誌と賞が育て、やがて文芸の各所へ広がった
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日本のSF小説は、1950年代の同人誌と雑誌を足場に、1959年のSFマガジン創刊で国産作家が育った。1970年に星雲賞、1980年に日本SF大賞ができ、『日本沈没』の大ヒットを経て、のちには芥川賞など純文学の側にもSF出身の作家が現れた。SFを純文学・大衆文学のどちらに置くかは決まった答えがなく、ジャンルとして独立しつつ他の領域へにじんでいった歴史として読める。
純文学と大衆文学小松左京、星新一、筒井康隆、日本沈没、円城塔、伊藤典夫評論集成事典・概説1954年〜現在
10月28日登録 / 2026年10月28日
No.216新着 夏目漱石(1867〜1916年) 教師から新聞小説家になり、長編を書き継いだ作家
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夏目漱石は1867年に江戸で生まれ、英語教師、英国留学を経て、1907年に教職を辞して朝日新聞社に入った作家である。『吾輩は猫である』『坊っちゃん』から『こころ』『明暗』まで、新聞連載を軸に長編を書いた。同時代には森鷗外が評し、弟子の芥川龍之介らも育った。
作家と作品夏目漱石、吾輩は猫である、坊っちゃん、三四郎、それから、門、こころ、明暗事典・概説1867〜1916年
10月27日登録 / 2026年10月27日
No.215 日本の電子書籍の歩み(1990年代〜2026年) 何度も「元年」を迎え、気づけば電子の9割がマンガになった
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日本の電子書籍は、1990年のCD-ROM専用プレーヤーから始まり、1995年のネット書店、2000年の出版社共同の配信、2010年の「電子書籍元年」、2012年のKindleストア日本版開始と段階を踏んできた。2025年の電子出版市場は5,815億円で、うち電子コミックが5,273億円と約9割を占める。文字ものの電子書籍は459億円にとどまり、2026年上半期は前年同期より減っている。
出版業界のこれから電子書籍、Kindleストア、電子文庫パブリ、電子コミック、ライトノベル報道・統計1990年〜2026年
10月27日登録 / 2026年10月27日
No.214 三島由紀夫賞と山本周五郎賞(1988年〜) 同じ主催者が同じ時期に始めた、新鋭の賞と「物語」の賞
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三島由紀夫賞と山本周五郎賞は、新潮文芸振興会が1987年に設け、1988年から選考を始めた賞である。前者は「文学の前途を拓く新鋭の作品」、後者は「すぐれて物語性を有する新しい文芸作品」を対象にする。2026年5月14日の第39回では、豊永浩平『はくしむるち』と蝉谷めぐ実『見えるか保己一』が選ばれた。
文学賞高橋源一郎、優雅で感傷的な日本野球、山田太一、異人たちとの夏、蓮實重彦、伯爵夫人事典・概説1988年〜現在
10月27日登録 / 2026年10月27日
No.213 紫式部と『源氏物語』(970年代〜現在) 生没年も成立の過程も分からないまま、千年読み継がれてきた物語
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紫式部は越前守を務めた藤原為時の娘で、夫と死別したのち、彰子に仕える女房になった。『源氏物語』の存在が史料に初めて現れるのは、『紫式部日記』の1008年の記事である。生没年も執筆の経緯も定説がなく、作者や成立順序をめぐる異説も残る。受容の歴史は、注釈、仏教からの批判、与謝野晶子らの現代語訳、外国語訳、2024年の大河ドラマへと続いている。
作家と作品紫式部、源氏物語、紫式部日記、紫式部集、藤原道長、与謝野晶子事典・概説970年代〜現在
10月26日登録 / 2026年10月26日
No.212 日本の文芸誌(1904年〜現在) 部数は数千部でも新人賞に毎年2,000編前後が集まる五つの雑誌
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『新潮』(1904年)、『文學界』(1933年)、『群像』(1946年)、『すばる』(1970年)、『文藝』(1933年)は五大文芸誌と呼ばれ、芥川賞の候補作の多くが載る。日本雑誌協会の印刷部数は2026年4〜6月期で『すばる』5,000部から『文藝』7,500部ほどにとどまり、『文學界』は4年で10,000部から7,000部に減った。それでも新人賞への応募は各誌とも1,800〜3,500編に上る。
出版社新潮、文學界、群像、すばる、文藝事典・概説1904年〜現在
10月26日登録 / 2026年10月26日
No.211 第175回芥川賞・直木賞(2026年上半期) 小砂川チト『ゾンビ回収婦』と朝倉かすみ『けんぐゎい』、決選投票で決まった
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2026年7月15日の選考会で、第175回芥川賞は小砂川チト『ゾンビ回収婦』、直木賞は朝倉かすみ『けんぐゎい』に決まった。どちらも3回目の候補での受賞で、どちらも5作から2作に絞られた決選投票を経ている。直木賞ではお笑いタレント若林正恭の初小説『青天』が候補になって注目を集めた。
文学賞小砂川チト、ゾンビ回収婦、朝倉かすみ、けんぐゎい、若林正恭、青天報道・統計2026年
10月26日登録 / 2026年10月26日
No.210 樋口一葉と『たけくらべ』『にごりえ』(1872〜1896年) 家計を背負った若い女性が、二年足らずで代表作を書き切った
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樋口一葉は1872年に東京で生まれ、17歳で父を失って家計を背負い、小説で収入を得ようとして1892年に作家として出発した。1894年12月の『大つごもり』から1896年にかけて『にごりえ』『十三夜』『たけくらべ』などを発表し、1896年11月23日に24歳で亡くなった。商いをして暮らした下谷龍泉寺町と、隣に銘酒屋があった本郷丸山福山町が、二つの代表作の舞台に結びついている。
作家と作品樋口一葉、たけくらべ、にごりえ、大つごもり、十三夜、一葉日記事典・概説1872〜1896年
10月25日登録 / 2026年10月25日
No.209 神田神保町の古書店街(明治〜現在) 学生の教科書売り場から専門店の集まる本の街へ
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神保町の古書店街は、明治10年代に周りへ法律学校や大学ができ、学生向けに法律書や教科書の古本を扱う店が開いたことに始まる。大火と関東大震災で焼けては立ち直り、太平洋戦争の空襲では靖国通り沿いの店並みが焼け残ったとされる。いまは約130店が分野ごとの専門店として並び、ネットの「日本の古本屋」と、毎年秋の神田古本まつりが店を支えている。
書店岩波茂雄、夏目漱石、こゝろ、司馬遼太郎、街道をゆく、三省堂書店事典・概説1877年〜現在
10月25日登録 / 2026年10月25日
No.208 江戸川乱歩賞(1954年〜) 原稿を送って選ばれるミステリーの新人賞
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江戸川乱歩賞は、1954年に乱歩が日本探偵作家クラブ(現在の日本推理作家協会)へ寄付した100万円を基金に設けられた賞である。最初の2回は功労賞だったが、1957年の第3回から未発表の長編推理小説を募る新人賞になり、受賞作は講談社から本になる。新聞や雑誌に載った作品から選ぶ芥川賞とは、新人の見つけ方がまったく違う。
文学賞江戸川乱歩、仁木悦子、西村京太郎、東野圭吾、桐野夏生、池井戸潤事典・概説1954年〜現在
10月25日登録 / 2026年10月25日
No.207 鴨長明と『方丈記』(1155年ごろ〜1216年) 跡を継げなかった神職の子が、一丈四方の庵で都の災厄を書いた
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鴨長明は下鴨神社の神職の家に生まれたが、父を早く亡くし、50歳ごろに禰宜になる道を一族の反対で断たれて出家した。日野の山中に一丈四方の庵を結び、1212年に『方丈記』を書いた。若いころに見た五つの災厄の記録と庵の暮らしを並べ、最後にその暮らしへの執着を自ら問うて終わるこの作品は、震災やコロナ禍のように社会が揺れるたびに読み直されてきた。
作家と作品鴨長明、方丈記、無名抄、発心集、新古今和歌集、池亭記事典・概説1155年ごろ〜1216年
10月24日登録 / 2026年10月24日
No.206 日本の文庫本の歩み(1927年〜現在) 名著の普及版から、単行本を出し直す器へ
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文庫本はドイツのレクラム文庫を手本にした小型で安い本のシリーズで、1927年の岩波文庫が「名著の普及版」という形を定着させた。1970年代に講談社や文藝春秋などの大手が自前の文庫を持ち、単行本を数年後に安く出し直す「文庫化」が出版の柱になった。いまは新刊点数も売上も減り、平均価格は2022年に711円まで上がっている。
出版社岩波茂雄、三木清、角川春樹、岩波文庫、新潮文庫、百年の孤独事典・概説1903年〜現在
10月24日登録 / 2026年10月24日
No.205 耽美派(明治末〜大正) 自然主義の頂点で、詩人と画家の酒席と三つの雑誌から生まれた一派
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耽美派は、美を何よりも上に置く耽美主義を掲げ、自然主義が頂点に達した1909年ごろから現れた一派である。詩人と画家が集った「パンの会」を溜まり場に、雑誌『スバル』『三田文学』、第二次『新思潮』を拠点として、北原白秋、木下杢太郎、永井荷風、谷崎潤一郎らが担った。荷風が谷崎の『刺青』などを推挙したことで谷崎は文壇に出たが、一派としてのまとまりは数年で散った。
近代(1868〜1945)永井荷風、谷崎潤一郎、北原白秋、木下杢太郎、佐藤春夫、刺青事典・概説1908〜1916年ごろ
10月24日登録 / 2026年10月24日
No.204 松尾芭蕉と『おくのほそ道』(1644〜1694年) 旅をそのまま写さず、旅をもとに組み立てた紀行文
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松尾芭蕉は伊賀に生まれ、江戸で俳諧の宗匠になったあと深川に移り、蕉風と呼ばれる作風を開いた。1689年に門人曾良と東北・北陸を回った約150日の旅は、推敲を重ねて『おくのほそ道』となり、芭蕉の死後の1702年に京都の井筒屋から刊行された。曾良の旅日記と比べると日付や出来事に食い違いがあり、いまは旅の事実をもとに作られた文芸作品と見る評価が広く定着している。
作家と作品松尾芭蕉、おくのほそ道、河合曾良、曾良旅日記、野ざらし紀行、正岡子規事典・概説1644〜1702年
10月23日登録 / 2026年10月23日
No.203 青空文庫(1997年〜現在) ボランティアが打ち込み、校正して、無料で開く本棚
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青空文庫は1997年に富田倫生ら4人の呼びかけで始まった、著作権の切れた作品をボランティアが入力・校正して無料で公開するインターネット上の図書館である。2026年10月23日時点の収録作品数は17,840。2018年12月30日に著作権の保護期間が死後50年から70年に延びたため、新しく公開できる作家が20年近く現れない状態が続いている。
出版業界のこれから富田倫生、本の未来、青空文庫、国立国会図書館デジタルコレクション事典・概説1997年〜現在
10月23日登録 / 2026年10月23日
No.202 日本の児童文学の歩み(1891年〜現在) 子どものための読み物が一つの分野になるまで
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日本の児童文学は、1891年の巌谷小波『こがね丸』を第一作とし、1918年創刊の鈴木三重吉の雑誌『赤い鳥』が作家と詩人を集めて童話と童謡の運動に育てた。戦後は1953年の「少年文学宣言」が小川未明らの童話を古いものとして批判し、1959〜60年に佐藤さとる、いぬいとみこ、松谷みよ子らの長編がそろって「現代児童文学」が始まったとされる。書き手の団体、批評、賞、国際的な受賞が重なって、児童文学は文学の一分野として扱われるようになった。
その他巌谷小波、鈴木三重吉、小川未明、宮沢賢治、新美南吉、佐藤さとる事典・概説1891年〜現在
10月23日登録 / 2026年10月23日
No.201 菊池寛(1888〜1948年) 『父帰る』の劇作家が、雑誌をつくり、作家の暮らしを支える側に回った
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菊池寛は高松生まれの作家で、戯曲『父帰る』、小説『恩讐の彼方に』で文壇に出たあと、新聞小説『真珠夫人』で広い読者をつかんだ。1923年に私財で雑誌『文藝春秋』を創刊し、出版社の経営者、文芸家協会の設立者として作家の暮らしを支える仕組みをつくった。戦時中の活動を理由に戦後は公職追放となり、解除されないまま1948年に亡くなった。
作家と作品菊池寛、父帰る、恩讐の彼方に、真珠夫人、文藝春秋、芥川龍之介事典・概説1888〜1948年
10月22日登録 / 2026年10月22日
No.86 これからの出版業界(2024年〜) AI・海外・耳で聴く本と、6割が本を読まない国
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生成AIは著作権と翻訳の両面で出版を揺さぶり、文化庁は2024年3月に考え方を整理した。海外では日本の小説の英訳が評価を高め、2025年には王谷晶『ババヤガの夜』が日本人初の英国ダガー賞翻訳部門を受賞した。一方、国内では2024年初めの文化庁調査で、月に1冊も本を読まない人が62.6%に達した。
出版業界のこれから王谷晶、ババヤガの夜、柚木麻子、BUTTER、鴻巣友季子、文化庁「国語に関する世論調査」公的機関の解説2024年〜現在
10月22日登録 / 2026年10月22日
No.85 出版市場の規模(1996年〜2025年) 紙はピークの4割弱、電子はマンガが9割
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出版科学研究所によると、紙の出版物の販売額は1996年の約2兆6千億円がピークで、2025年は9,647億円と50年ぶりに1兆円を割った。電子は5,815億円まで伸びたが、9割を電子コミックが占め、その伸びも鈍ってきた。紙と電子の合計は1兆5,462億円で4年連続の減少である。
出版業界のこれから出版科学研究所、少年ジャンプ+、ピッコマ、ダ・ヴィンチ報道・統計1976年〜2026年