数字・統計このタグの資料 14 本
- 青空文庫(1997年〜現在) ボランティアが打ち込み、校正して、無料で開く本棚新着No.203
青空文庫は1997年に富田倫生ら4人の呼びかけで始まった、著作権の切れた作品をボランティアが入力・校正して無料で公開するインターネット上の図書館である。2026年10月23日時点の収録作品数は17,840。2018年12月30日に著作権の保護期間が死後50年から70年に延びたため、新しく公開できる作家が20年近く現れない状態が続いている。
- これからの出版業界(2024年〜) AI・海外・耳で聴く本と、6割が本を読まない国No.86
生成AIは著作権と翻訳の両面で出版を揺さぶり、文化庁は2024年3月に考え方を整理した。海外では日本の小説の英訳が評価を高め、2025年には王谷晶『ババヤガの夜』が日本人初の英国ダガー賞翻訳部門を受賞した。一方、国内では2024年初めの文化庁調査で、月に1冊も本を読まない人が62.6%に達した。
- 出版市場の規模(1996年〜2025年) 紙はピークの4割弱、電子はマンガが9割No.85
出版科学研究所によると、紙の出版物の販売額は1996年の約2兆6千億円がピークで、2025年は9,647億円と50年ぶりに1兆円を割った。電子は5,815億円まで伸びたが、9割を電子コミックが占め、その伸びも鈍ってきた。紙と電子の合計は1兆5,462億円で4年連続の減少である。
- 書店を残す取り組み(2022年〜現在) 国の書店活性化プラン、シェア型書店、図書館との連携No.84
経済産業省は2024年3月に書店振興プロジェクトチームを立ち上げ、2025年6月に29項目の「書店活性化プラン」を公表、2026年4月には返品削減研究会のとりまとめを出した。民間では作家・今村翔吾のシェア型書店「ほんまる」(2024年4月)のような新しい形の本屋や、図書館と地元書店の連携が広がっている。
- 書店の歴史と減り方(17世紀〜現在) 地本問屋から町の本屋へ、そして1万店割れNo.83
江戸の本屋は出版も卸も古本も兼ねていたが、明治20年代に出版社・取次・書店の分業ができた。戦後は町の本屋と大型チェーンが広がったが、書店数は1998年度の24,237店をピークに減り、2025年度末には9,993店と初めて1万店を割った。確認できた範囲では、2024年11月末時点で全国の28.2%(493自治体)に書店が一軒もない。
- 本が書店に並ぶ仕組み(1909年〜現在) 取次・委託・定価販売の三本柱がきしむNo.82
日本の本は、出版社から取次(問屋)を通って書店に届き、売れ残れば返品できる「委託販売」と、全国どこでも定価で売る「再販制度」の上に流通してきた。この仕組みは本の種類を豊かにした一方で、書籍で3割、雑誌で4割を超える返品を生んだ。日販のコンビニ配送撤退(2025年2月)など、物流の縮小と見直しがいま進んでいる。
- 文芸の大手出版社(1869年〜現在) 雑誌と文庫で育ち、いまはマンガとIPが支えるNo.81
日本の文芸出版を担ってきた大手出版社の多くは、明治末から戦後すぐにかけて雑誌や文庫を足場に生まれた。岩波文庫(1927年)に代表される安い叢書が名作を広く行き渡らせた。近年は大手ほどマンガのデジタル販売と版権収入への依存が強まり、集英社では2026年5月期に版権などの「事業収入」が初めて出版売上を上回った。
- 世界の賞と日本文学 川端・大江のノーベル賞から、翻訳文学ブームまでNo.65
日本人のノーベル文学賞は1968年の川端康成と1994年の大江健三郎の2人で、村上春樹は長く「待望論」の的になっている。2018年以降、多和田葉子と柳美里が全米図書賞翻訳文学部門を受け、国際ブッカー賞でも日本の作家が最終候補に入った。英国では柚木麻子『BUTTER』などが売れ、日本の小説の翻訳がブームになっている。
- 本屋大賞(2004年〜) 書店員が「いちばん売りたい本」を投票で選ぶNo.63
本屋大賞は2004年に始まった、全国の新刊書店の書店員が投票で選ぶ賞である。受賞作は例外なくベストセラーになり映画化も多いため、芥川賞・直木賞より売れる賞と言われる。2025年は阿部暁子『カフネ』、2026年は朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』が大賞を取った。
- 芥川賞(1935年〜) 雑誌の新人の短い小説に贈る、年2回の「事件」No.61
芥川賞は1935年に文藝春秋の菊池寛が直木賞と同時に作った、純文学の新人に贈る賞である。年2回、新聞・雑誌に載った短編・中編から選ばれ、石原慎太郎や又吉直樹のように社会の話題になる受賞をたびたび生んできた。2025年上半期の第173回は「該当作なし」だった。
- ライトノベル・ケータイ小説・ウェブ小説(1975年〜現在) 二分法の外で育った読書No.54
ライトノベルは1970〜80年代の少年少女向け文庫から育ち、1990年に名前が付いた。2000年代にはケータイ小説、2010年代には「小説家になろう」などの投稿サイトから書籍化・アニメ化される流れが生まれた。これらは純文学か大衆文学かという古い区別では捉えにくい、読者が書き手にもなる読書である。
- 大衆文学のジャンル史(大正〜現在) 時代小説・推理・SF・ホラーが日本の読書を支えてきたNo.53
大衆文学は大正の時代小説から始まり、探偵小説、戦後の社会派推理、SF、1980年代末の新本格、1990年代のホラーへと主役を替えながら広がった。どのジャンルも、新聞・雑誌・新書判(ノベルス)・文庫といった新しい売り場と結びついて伸びた。『日本沈没』や『点と線』の部数は、娯楽小説が多くの人の読書そのものだったことを示している。
- 平成・令和の文学(1989〜2026) ネットから生まれる小説と、翻訳で世界に読まれる日本文学No.8
昭和の終わりの村上春樹『ノルウェイの森』と吉本ばなな『キッチン』から、平成の文学は始まったといえる。ライトノベル、ケータイ小説、「小説家になろう」などネット発の小説が新しい読者と書き手を生み、2020年代には柚木麻子『BUTTER』や王谷晶『ババヤガの夜』が英国で賞を取った。芥川賞では生成AIや読書バリアフリーが話題になり、2025年上半期には両賞が27年ぶりに「該当作なし」となった。
- 大正から昭和戦前・戦中の文学(1910〜1945) 理想・技巧・階級、そして戦争No.6
大正の文学は、学習院出身の白樺派が理想主義を掲げ、芥川龍之介や谷崎潤一郎が技巧を凝らした作品で読者をつかんだ。昭和に入ると新感覚派とプロレタリア文学が並び立つ一方、円本や雑誌『キング』で本と雑誌が大衆のものになった。戦争が深まると弾圧と統制で書けることが狭まり、文学者は国策に組み込まれていった。
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